大統領選2020で浮き彫りになる2つのアメリカ

大統領選2020で浮き彫りになる2つのアメリカ

東へ引っ越す不安 

 アメリカ西海岸のカリフォルニア州から東海岸にあるペンシルベニア州へ引っ越す時にもらった同僚からのアドバイスがありました。

「西ではみんなすぐに「親友」とか「友達」と呼んでくれてフレンドリーだったでしょ?」

「東海岸ではそうはいかないよ。だから単身で引っ越す君が少し心配なんだ、コミュニティにすぐに馴染めるかどうか、、、」

このとき西海岸での生活も仕事も比較的順調で大満足で締めくくろうとしていた当時の私は、すっかり自信を付けていたので聞く耳を持ちませんでした。

「大丈夫だいじょうぶ」と返事をしたのを覚えています。

一年の半分以上が豪雪であるペンシルベニア州に引っ越してすぐ差別にあい、その後数ヶ月はとてつもない孤独との戦いがありました。そこで出会った後の親友のおかげで「受け入れられる」という大冒険コラムは後日に改めて。

2020年11月現在、大統領選を通じて二分していくアメリカの行方を心配している人も多いかもしれません。

同じ国なのにまるで違う人種みたいに思いませんか?

ですが、二分は今に始まったことではないんです。

ペンシルベニア州での生活を通し、赤色の思想と青色の思想の違いを経験した身としては、この選挙をどちらか一方だけに肩入れし見守る気にはなれませんでした。

真っ二つに分かれるアメリカ

 バイデン氏率いる民主党は青色、トランプ大統領が率いる共和党を赤色で色分けした選挙結果を表示したMAPをご覧になったと思います。

2016年と2020年の結果を並べて表示してみますね。

そこでなにか気がつきませんか?

アメリカという1つの国であっても、真っ二つに分かれているように見えませんか?

1つはカリフォルニアがある西海岸、北東および大西洋岸にだいぶ飛んだニューヨークから構成される「グローバル・アメリカ」です。先進的とか、リベラルとも呼ばれます。

これらの地域の文化、医療、経済は世界トップクラスで、他国と緊密な関係があります。

私が2016年からスタンフォード大学に渡ったように、海外からの駐在や移民の流入を歓迎して受け入れます。なぜなら、それが国の発展に必要であると考えているからです。

一方、田園地方である山岳の西側地域および南部を中心とし、「ラストベルト」と呼ばれる中西部までの地域は、「アメリカ・ファースト」の思想を強く持ちます。

つまり、「アメリカ人さえ良ければ、」「アメリカに有利な政治を、」

まぁ、確かにそうなんです。なのでトランプ氏はアメリカが世界のリーダー的存在を維持するためにも、まずは他国の世話ばかりではなくまず自国を豊かにしてから。だから、これまでの他国への経済支援を突然打ち切ったりしようとするのですが、一筋縄でいかない場面も多いにありました。

いずれにせよ一時的か永久的かは分かりませんが、赤色の地域が求めているのは、純粋な白人の人種で構成されたアメリカを優遇していく方針です。言い換えれば、白人が肩身の狭い思いをしている現状も伺えるのです。

2016年結果:共和党の赤色が青色の民主党の数を上回った

青色のカリフォルニアとピンク色のペンシルベニア

 2020年11月4日を過ぎた時点でまだ7つの州で集計が終わっていない選挙MAPを提示します。Calfは青色で、PAはなんとピンク色、つまりまだ集計が済んではいないが共和党優勢という結果です。このままいけばピンク色が赤色に変わります。

先ほど上げた2016年の結果でも同様に、Calfは青色で、PAは赤色でした。

私がカリフォルニアからペンシルベニアへ引っ越したのは、豪雪の時期2月に。しかも、2018年。

つまり、トランプ政権誕生から1年と数ヶ月経った頃の赤色の勢いが増している時期でした。

トランプ氏の顔写真が入った旗とアメリカ国旗を掲げ町を練り歩く集団を何度も見かけました。車のクラクションや大音量での音楽と、威圧感は半端なかったです。

アメリカ人の半分程度はパスポートを持たないし、西側・東側の移動もしたことがない人も多いと言います。だから、いくら西海岸のカリフォルニアの人達からアドバイスをもらっても噂程度だったり、東海岸の豪雪が嫌で西に移住した人などで、情報収集は十分ではありませんでした。お互いに生活を知らないのですね。

実際に引っ越してみて文化も生活スタイルも歴然の差があり、同じ国内でも全く別の国という印象を持ちました。

2020年11月4日の時点では水色とピンク色のエリアが合計7州残る

11月13日時点での結果

 青色と赤色の地域での両方の生活経験から選挙の行方を見守っています。双方のリーダーが発する言葉も理解出来なくないのです。

どちらも本気で自国の幸せを願っているでしょうし、世界を良くしようと考えているのだと思います。

ただ本当に、目指すもの、理想像、順番ややり方が違う。そんな気がしています。

差別を受けていた私をペンシルベニアでの生活に馴染めるよう導いてくれた2人の友人はいずれもマイノリティである少数派でした。

そんな中さらに、特に赤色の時期であっても、堂々と民主党支持者であると公言し、強く自立して生きていました。

中国からこの辺りの裕福な家庭に養子としてもらわれてきたマディソンと、アフリカ系アメリカ人の同性愛者のアシュリー。

2人とも市民ソフトボール部で出会いました。

馴染めない私を見て見ぬふりをして素通りしていく多くの白人達を呼び止め仲間に迎えるよう働きかけてくれました。

この2人を見て真のリーダーとは排除しない、適切な方法で皆を良い方向に導く人なんだとなあと思いました。

その後、私は2人を信じどんどん文化に溶け込みさらに友好も深めていきました。

今もまだ赤色と青色の狭間にいながらも、己を貫き通す芯の強さに磨きをかけています。友達でいてくれてただただ感謝の気持ちです。

何色支持者でも、人は人。

人は人でしか救われないのだと思います。

一刻も早く世界が平和を取り戻すことを願ってやみません。

https://www.nytimes.com/interactive/2020/11/03/us/elections/results-president.html

Presidential Election Results: Biden Wins, The New York Times, Nov 13, 2020. 

民主党が290と、共和党の217を上回り現在の再集計が急がれたり、もっと紛争の可能性があったり。PAは今年、青色になっていますね。

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この記事を書いたドクター

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福島 八枝子
明るく好奇心旺盛な整形外科専門医Dr.ヤエコフがお届けします。スポーツ医学の本場アメリカで研究したPM&R(Physical Medicine& Rehabilitation)を扱う最新医学情報をはじめ、海外や日本での生活におけるおもしろエピソード等をご紹介

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