ON A SLOW BOAT TO CHINA

ON A SLOW BOAT TO CHINA

私の最初のCDにも収録した軽快な可愛らしい感じのこの曲は、アメリカ大陸から中国までの遠い道のりを君と二人でゆっくりと小さな船で旅しよう、というロマンティックな歌である。

私はせっかちというか、いろんなことにゆっくりと時間をかけることができないタイプである。かなりの早口で、熊本弁も重なってライブのMCではよほど意識しないと常連のお客様から「早すぎて何を言っているのかわからない」と言われる。

医師という職業柄、食事もとても早い。より多くの仕事をこなすために2つ、3つのことを同時進行させて、うまく達成できた時に喜びを感じるのだ。私がゆっくりと時間をかけるのは外来患者さんの話を聞く時と、バラードを歌う時くらいだろう。

友人に「クリスマスプレゼントに何がいい?」と聞かれたときに、バビル二世の持つテレポーテーション能力か、サイボーグ009が持つ加速装置が欲しいと答えて呆れられた記憶がある。アメリカではレディファーストでビルのドア等は、自分の連れじゃなくても男性が開けてくれて入るのが普通だが、私はそれを待つ時間が惜しくて、さっさと自分で開けて入っていき、周囲の人に変な目でみられたこともあった。

私の主人は食べるのも話すのも、何事もゆっくり進める。2つのことを同時に終わらせて喜びを感じる私を決して見下したりはせず、むしろ一緒に喜んでくれるが、主人は絶対にそういう風にはしない。昔の私は仕事でも何でもペースが遅い人に対して厳しかったが、主人と出会って物事をSLOWに進めることにも、今までの自分の価値観ではわからなかった、別の良さがあると思うようになった。アメリカに行って、主人と出会って私は随分変わった。そしてその変化(成長?)に私自身が一番喜んでいる。まだまだ改革が必要な私はこれからどう変わっていけるのか、密かに楽しみにしながら、ON A SLOW BOAT TO CHINAを口ずさんでみた。

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この記事を書いたドクター

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平井 靖子
こんにちは。YASUKOです。父が医師だったこともあり、「大きくなったらお医者さんになる」というのが幼い頃からの私の夢でした。生まれた日が野口英世と同じ日というのも何か不思議な縁です。8年間従事した医師の仕事をやめて、アメリカの音楽大学にいくことにしました。現在は熊本を拠点として、NYで立ち上げた音楽教室を続けながら、ライブ演奏もしています。11年間のアメリカ生活の中で出会った人々から学んだこと、日本とアメリカの文化の違いから学んだこと、そして私の人生の最高の宝である主人とのエピソードなどを私のレパートリーのジャズスタンダードソングのご紹介と合わせてお届けできたら、と思っています。

資格・経歴

  • 熊本高校卒業
  • 近畿大学医学部卒業
  • 内科医師
  • Manhattan School of Music卒業
  • Artist Visa (Ovisa)取得 JAZZ singerとして音楽活動
  • Long Island University 准教授
  • Lammy Music 代表

受賞歴