I’M OLD FASHIONED

I’M OLD FASHIONED

I’m old fashioned , I love the moonlight, I love the old fashioned things. という歌い出しで始まるジャズスタンダードがある。歌い出しの最初のフレーズががそのまま曲のタイトルとなるが、昔ながらの伝統的なものが好きという内容だ。

昭和、平成、令和と生きてきて一番感じるのはテクノロジーの発展である。医療業界でも音楽業界でも大いなる発展が現在も進行中である。お陰で仕事や普段の生活面では大変便利になったが、それによって失われた昔の良さもある気がする。令和の最初の冬はウイルスのパンデミックにより世界中で慣習の変化を余儀なくされることとなった。スキンシップを大切にしていている欧米では、嬉しい時、悲しい時に抱きしめあうことも今は自由にできない状況だ。ニューヨーカーは靴を脱いで家の中に入るという。

日本でも古くから「手当て」という言葉があるように、傷ついたところに優しく手を置くということはされる側からにとっては、安心感や実際に痛みが軽減する、という感覚があった。しかし今回のウイルス感染拡大阻止のために、やや非科学的な昔ながらのやり方は消え去っていくのかもしれない。

現在、私は月に数回デイケア施設で音楽療法を行っている。90歳前後の人達とその季節に合う童謡を一緒に歌うのである。5月は鯉のぼり、7月は七夕とか。一緒に歌う皆さんはメロディや歌詞をしっかり覚えていてこちらがびっくりする。歌い終われば歌詞の内容について皆さんと話す。

1月にお正月の歌を歌った時、「お正月には凧あげてコマを回して遊びましょう」という歌詞について、「私達が子供の頃はこうやって遊んでたけど今の子供達はゲームばっかりで、そのうち昔から受け継がれた遊びや歌を知る人もいなくなるわね。」と寂しそうに話された。 私もどちらかというと古いタイプの人間(OLD FASHIONED)なので、現在ウイルスのパンデミックによって推奨されている新しい日常、人との交わり方には戸惑いと寂しさを感じる。しかし文化や習慣はその時、その時に合ったものに変わっていくものなのだ。時代の流れによる新しい変化には逆らわず、今盛んに言われている「新しい日常」を取り入れながらも、ジャズスタンダードのI’M OLD FASHIONEDのように、昔ながらの良さは大切にしていきたいと思う。

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この記事を書いたドクター

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平井 靖子
こんにちは。YASUKOです。父が医師だったこともあり、「大きくなったらお医者さんになる」というのが幼い頃からの私の夢でした。生まれた日が野口英世と同じ日というのも何か不思議な縁です。8年間従事した医師の仕事をやめて、アメリカの音楽大学にいくことにしました。現在は熊本を拠点として、NYで立ち上げた音楽教室を続けながら、ライブ演奏もしています。11年間のアメリカ生活の中で出会った人々から学んだこと、日本とアメリカの文化の違いから学んだこと、そして私の人生の最高の宝である主人とのエピソードなどを私のレパートリーのジャズスタンダードソングのご紹介と合わせてお届けできたら、と思っています。

資格・経歴

  • 熊本高校卒業
  • 近畿大学医学部卒業
  • 内科医師
  • Manhattan School of Music卒業
  • Artist Visa (Ovisa)取得 JAZZ singerとして音楽活動
  • Long Island University 准教授
  • Lammy Music 代表

受賞歴